京都旅で宿泊した「宿はる家aqua」。
今この文章を書いているのは、その宿の共有スペース。時は早朝5時をまわったばかりだ。
こういったドミトリーに近い宿泊施設に泊まる場合、他人との距離感が一番の注意点となる。もちろん僕はこの近い距離感に否定的ではなく、ちょっとした隙間時間に生まれる交流や挨拶は気分を盛り上げてくれるので好きだ。
しかし、だ。
建物と会話するように過ごす町家宿
「宿はる家aqua」は100年以上前に建てられた古民家を利用した宿泊施設。詳しいことは下記にまとめてあるのでご覧いただきたい。
宿はる家aqua|築100年以上!京都の町家宿に泊まってみた
歩けば床が、階段が、ベッドで寝返りをうてばギシッギシッと鳴き声があがるような木造建築。引き戸も開けるときにはそれなりに音が出る。
「ギシッギシッ…」「うん、俺歩いてる」
「ガガガッ…」「うん、ただいま」
家と会話をしながら過ごす時間は木造だった頃の祖父の家を思い出し、楽しい。
そういう場所なので、想像に容易いと思うが壁も薄い。夜中に別の部屋の宿泊客が用を足しに行くのが床が軋む音でわかる。あぁ、夜中に家から抜け出すのに足音をいかにたてないか四苦八苦したことを思い出す。
僕らのような日本人客はもちろん、海外観光客も多く宿泊している。
町家宿に泊まり目覚めた朝5時
時間を戻そう。
この文章を書いているのは、朝の5時過ぎだ。共有スペースでコーヒーを飲みつつ、耳につけたイヤフォンからはフィッシュマンズを流しつつ、スマートフォンで文章を綴っている。
朝の5時に起きよう。そして「すばらしくてNICE CHOICE」でも聴きながら、文章をしたためようじゃないか……なんて微塵も考えていなかった。そもそも、妻と起きようと話していた時間は、6時だったのだ。
……物音で目が覚め、スマートフォンで時間を確認すると4時だった。ガサゴソと音がしているのは隣の部屋。確か、中年のサラリーマンが一人で宿泊していたはずだ。ちょうど目が覚めたので起きてしまおうかと時間を確認したわけだが、まだ1時間以上も寝れるとあって再び目を閉じることにした。下へと降りていく男性の足音がした。
と、男性が下で水を使い始めた様子が聴こえた頃だ。隣の部屋から目覚しのアラームが鳴り始めたのだ。ピピピッピピピッという機械的なアラーム音、おそらくスマートフォンのものだろう。
すぐに気付くだろう、そう思い寝ようとしたのだがなかなかあがってくる様子がない。トイレにでも入っているようだ。時計を確認したら、アラームが鳴りだしてから15分ほど経過していた。
うるさい!というよりも、なぜこんなイージーミスを!という気持ちの方が勝っていた。
ここまでくると目が冴えてくる。アラーム音が気になるというよりも、こんなわかりやすい凡ミスを目の当たりにして少し笑ってしまい寝付けなくなった次第だ。
結果、僕はこうやってこの文章を綴っている。
旅の予定が変わることを僕はあまり気にしない。よくあることだ。
だが、自分のペースが乱れることを嫌う方も多いだろう。そういう方が他の宿泊客と距離感が近い宿泊施設に泊まる場合は、耳栓やアイマスクなどの安眠グッズに加え、ある程度の気構えが必要だと思う。
今回事を起こしたのが、ホテルに泊まっていそうな、スーツ姿のサラリーマンだったのがまた面白い。
笑える。が、今日1日僕は眠気との戦いになるだろう。
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