釣ったら食べる、それまでが釣り。と、僕は考えています。
釣った魚を食べるまでが釣りだと。
釣りたての新鮮な魚はおいしいですからね。
もちろん小さな魚などはリリースしますが、食べられる魚や針を飲んでしまった魚などは持ち帰って調理します。
魚が釣れた時には、帰り道で魚をどんな風に調理するかで頭がいっぱい。
刺身?焼き魚?それとも煮魚?いや、揚げ物もいいなぁ……飯ものに汁ものって選択肢もあり!なんて考えているわけです。
スーパーに出回っていないような魚もおいしかったり。
釣り人冥利に尽きるとはこのことでは、と思ったり。
釣りをしたら釣り飯という具合に魚を捌いて調理してきたので、釣った魚を使った料理のバリエーションが増えてきました。
ということで、この記事ではこれまで作った釣り飯をまとめてみたいと思います。
※今後も新しい釣り飯を作った時には追加していきます。
※各調理方法の詳細はリンク先の記事をご覧ください。とはいえ調味料の分量など細かいレシピは書いていません。
釣った魚をおいしく食べるために…血抜きと氷締めが必要
まずはじめに。
釣った魚をおいしく食べるのに必要なのは、釣った後の処理。
魚を釣ってからそのまま放置して死なせてしまうと、血が全身にまわって死後硬直をおこします。
身に血が滲んだ状態になってしまうことで、食べた時に血生臭くなってしまうわけです。
それを避けるために、まずは魚を締めることが肝心。
小型の魚は、海水をキンキンに冷やしたクーラーボックスに魚を入れて氷締めしてしまうのが一番。簡単ですし、釣りの時間も確保できますからね。
ただし、真水で作った氷に海水を流し込むのは、塩分濃度が薄まってしまうため厳禁。
水を入れて凍らせたペットボトルをクーラーボックスに入れて持っていき、釣りを始める時に海水を入れておけばしっかりと冷たくなります。釣りを終えて帰る際には、クーラーボックスから水を抜き、袋に入れた魚を氷に入れて持ち帰ります。
中型の魚の場合は神経締めしてからクーラーボックスへ。
神経締めは、目の横(身の側)に刃物を切り入れ中骨まで切断します。魚が痙攣すれば神経が締まった証拠。
さらに、エラを切ってから海水の入ったバケツにいれて血抜きします。
釣った後の処理をするかしないかで、実際に食べる時の味が大きく変わります。
どうせなら釣った魚はおいしく食べたいもの。まずは氷締めから試してみてはいかがでしょうか。
魚を捌いた後の臭いが気になる!という方は、魚の内臓や頭などを袋に入れて冷凍してしまえば臭い問題解決。
後は燃やすゴミの日に生ゴミとして捨てるだけ。臭い問題は大抵これで解決しますよ。
それから、前提の注意点として、毒を持った魚には注意してくださいね。
フグのように内臓に毒を持ったものだけでは無く、ヒレに毒を持ったものもあります。
上記記事に多少まとめていますので、ご参考まで。
釣ったら、まずインターネットで調べて種を特定し、毒が無いかを確認した方が良いです。似た魚も多いので、再度書きますがご注意を。
さて、では釣り飯の話に。
刺身
釣り飯の代表格といえば、刺身。
普段食べることが無いような魚を刺身にして食す……釣り人冥利に尽きるというものじゃないですか。
刺身を食べるとなると、スーパーなんかで既に切り身になったものを食べることが多いと思いますが、自分で捌いて食べるとおいしいですし感慨深いものです。
魚の状態が新鮮で無いと食べられないので、魚を釣った後の下処理は必須。
魚の種類によって、向いている切り方や調味料があるので、一口に刺身と言っても色々な食べ方があります。
ただし、刺身で食べる場合は、アニサキスなどの寄生虫には十分注意してくださいね。
薄造り
薄造りの刺身と言えばフグを思い浮かべるかと思いますが、コリコリとした食感の魚であれば薄造りにするとおいしくいただけます。
カワハギやヒラメ・カサゴなどに合います。
捌くのは時間がかかりますが、厚みのある切り方と食べ比べてみると驚くほど味に違いがあり面白いです。
ちなみに、カワハギやヒラメは数日寝かせたほうが旨味が強くなります。
新鮮な肝を醤油に溶かした肝醤油でいただくと絶品です!想像するだけでヨダレが出る……。
昆布締め
昆布の旨味が刺身に移ることで深い味わいとなる昆布締め。
傷みが早い刺身が数日持つ効果があるため、保存手段としても重宝されますが、味も良くなり刺身のレベルがワンランクアップする調理方法です。
基本的には昆布に刺身を巻いて冷蔵庫で寝かせるだけと簡単。お試しあれ。
酢締め
サバやアジ・ブリなどの青魚は、酢締めにすることで身が締まって風味が良くなります。コハダなんかも有名ですね。
妻の好物であることから、我が家ではしめ鯖を作ることが多いです。
酢締めにする時は、塩漬け→酢洗い→酢漬けという工程をおこないます。
湯霜・焼霜造り
食べやすさを優先すると皮を引いた刺身の方が重宝しますが、魚の旨味は皮にあったりします。
湯霜・焼霜造りにして皮も共に食べると、魚の持っている気付かなかった旨味に気付けたりします。
漬け(づけ)
刺身を多く作りすぎてしまった……。刺身以外にも味の変化が欲しい……。
なんて時に簡単に作れておいしいのが漬け(づけ)。
島唐辛子を醤油に漬け込んで作った唐辛子醤油に、刺身を漬けたべっこう漬けなんかはもう最高。
魚と醤油の旨味の後からやってくる島唐辛子のピリッとした辛味は癖になりますよ。
たたき(叩き)
刺身を包丁で叩くように細かく切る……たたき(叩き)。
おろしたアジなんかを丸々たたくのも良いですが、3枚おろしの際に中骨についてしまった中落ち部分をスプーンでこそいで集め、たたきにしてもおいしいです。
たたきではネギ・ショウガ・大葉などを一緒にたたくことが多いですが、味噌を混ぜ込めば”なめろう”になります。
おかずとしてはもちろん、酒のつまみとしても活躍してくれます。
カルパッチョ
火も使わず手軽に調理できて、テーブルがおしゃれに賑やかになるカルパッチョ。
オリーブオイルや調味料と合わせることで、また別の美味しさを発見できるかも。
焼き・炒め
さて、続きましては焼き魚と魚の炒め。
簡単においしく食べられますし、釣り飯メニューとしても選ばれることが多いのではないでしょうか。
釣りたてを炭火焼きして食べれば旨いですし、干物にすれば旨味増し増しで言うこと無し。
干物の漬け方は色々試せて楽しいですし、洋風にソテーやムニエルにしてもおいしい調理方法ですね。
塩焼き
焼きの筆頭は塩焼き。魚に塩を振って焼くだけなので簡単。
焼く1〜2時間ほど前から魚に塩を振って余分な水を抜いておくと、旨味が濃くなってよりおいしく食べられるのでオススメ。
干物(一夜干し)
塩焼きも良いですが、ひと手間かけて干物にすると旨味が濃くなって驚くほどおいしくなります。
おいしくないとされている魚も干物にして食べてみると、意外とおいしかったり。
干物を作るのは大変だと思われがちですが、一夜干しであれば、寝て起きたら完成しています。干しカゴがあれば良いだけなので、簡単に作れますよ。
塩干しだけでなく、みりん干しなど試しても楽しいです。我が家ではウイスキー干しが人気です。
干物(日干し)
一夜干しより扱いが難しくなりますが、日干しもやはりおいしいですね。
風通し良い状態で天日干しすることで、一夜干しよりも身の表面に締まった歯ごたえのある仕上がりになります。
蒲焼
ウナギやアナゴなんかでおいしい蒲焼き。
醤油・みりん・酒・砂糖などで作る甘辛いタレと魚の脂の香ばしさとのタッグはたまらないお味。
ホイル焼き
アルミホイルで食材を包んで蒸し焼きにするホイル焼き。
オリーブオイル・ニンニク・キノコなどと一緒に蒸し焼きにすればボリュームアップしますし、相互作用で旨味もアップします。
ソテー
油やバターで炒めるソテー。
生の魚をソテーにしてもおいしいですが、干物をソテーにしてもおいしいのでお試しあれ。肉を食べているような食感になりますよ。
ムニエル
魚の切り身に塩胡椒なんかで下味を付け、小麦粉を振ってからバターで焼いたムニエル。
外の小麦粉部分がカリッと中の魚がホワッとした食感がおいしい焼き方です。
中華炒め
中華風の味付けで炒めるのも魚介には合います。
刺身なんかに飽きてしまった時に、味を変えられるのでおすすめです。
清蒸魚(チンジャンユー)
清蒸魚(チンジャンユー)は蒸した魚に白髪ねぎなどをのせ、高温に熱した油をかけて食べる中華料理。
熱した油をジュッ!!とかけて食べる清蒸魚は楽しくて美味しい 釣りメシのレパートリーのひとつです。
煮魚
これまた釣り飯の定番、煮魚。
煮魚は醤油ベースにしても味噌煮にしてもおいしいですよね。
ど定番だと鯖の味噌煮とかですかね。赤身でも白身でもおいしいのが煮魚の良いところ。
自分で釣った魚を煮物にして、煮魚定食でも作ればおいしいこと間違いなし!
煮こごり
ゼラチン質の多い魚、煮アナゴを作った際の煮汁を置いておくだけで作れる煮こごり。
熱々の白飯に乗せてジュワーと溶けたところを掻っ込めばおいしいのなんのって!
揚げ物
困った時には揚げ物にしておけばOK!といった感じで、釣り飯に選ばれることの多い揚げ物。
捌くのが大変なのでフライにしてしまおう……というのが、釣りを始めたばかりの頃の定番でした(笑)
刺身にはちょっと難しい鮮度の魚でも、おいしくいただける揚げ物。
素揚げ・天ぷら・フライ……一口に揚げ物と言っても色々調理方法があります。
素揚げ
内臓と鱗を取り除き、下味を付け片栗粉をまぶして油で揚げるだけの素揚げ。
小イワシなどのサイズの小さい魚であれば、丸々揚げれば頭までおいしく食べられます。
竜田揚げ
ご飯との相性バッチリで、酒の肴としてもおいしい竜田揚げ。
身の部分を醤油・みりん・酒・おろし生姜・おろしニンニクを混ぜたタレに漬けておき、食べる直前に片栗粉をまぶしてから揚げて熱々のところをいただけば最高です。
天ぷら
魚の天ぷらといえば、代表的なのはキスやハゼの天ぷら。おいしいですよね。
淡白な白身の魚に合う調理方法ですが、個人的にはギンポが天ぷらでは一番美味。
フライ
釣り飯メニューではよくラインナップされるフライ。
釣りたて新鮮なアジやサバ・イワシなどのフライは思わず唸ってしまうほどおいしい!
汁もの
魚の持っている旨味を全て出汁に……活躍するのが汁もの。
魚はアラからも良い出汁が出るので、汁ものにすると魚の捨てるところを極力減らすこともできます。
鍋
捌くのが簡単な上においしいのが鍋。
鱗と内臓を取り除き、ぶつ切りにして煮込むだけで完成です。
カワハギなどの肝がおいしい魚の場合は、肝も一緒にいれることをオススメします。
スープに濃厚な旨味が溶け出しますよ。
しゃぶしゃぶ
生のおいしさと火が通ったおいしさの両方を楽しめるのがしゃぶしゃぶ。
ぶりしゃぶがよく知られていますが、他の魚でもおいしいですよ。
味噌汁
こちらも釣り飯の汁ものとしてはよく登場する味噌汁。
ワタリガニやショウジンガニが運良く釣れた時には味噌汁にすると良い出汁がでますし、ソイなんかの根魚も甘めの味噌で作った味噌汁にするとおいしいですよ。
あら汁
魚のアラを使った、あら汁。
魚を刺身にした時にもアラも捨てずに活用できるので、メイン1品+あら汁とすると満足度アップしますよ。
潮汁
こちらも魚のアラを使った潮汁。シンプルに魚の旨味を味わえる汁ものです。
大事なのはアラの下処理。アラを熱湯にくぐらせ霜降りにし、冷水でよく洗い流してから鱗や血合いを取り除きます。
そうすることで、生臭さの無い上品な味になります。
つみれ汁
魚のアラで出汁をとり、魚の身を叩いて作ったつみれをいれたつみれ汁。
つみれにすることで味わいの変わる魚もあるので色々な魚で試したいメニューです。
アクアパッツァ
アクアパッツァは魚介類を白ワインと水で煮込んだイタリアナポリ料理。
いわゆる日本の”鍋”のように、残ったスープで〆にスパゲティを作ると2度楽しめちゃいます。
アヒージョ
アヒージョはオリーブオイルとニンニクで煮込むスペイン料理。
海老やイカ・タコなどを煮込んで作ることが多いですが、魚をメインにアヒージョにしてもおいしいですよ。
カルチジョリム
カルチジョリムはカルチ(タチウオ)と大根を辛く煮た韓国料理。
飯泥棒との噂通り、白飯が止まらぬ一品。丼にしてみたらもう、匙が止まらぬ!
ラーメン
変わったものとして、ラーメン(笑)
釣った魚から出汁をとってスープにする……手間はかかりますがなかなか食べることのできないラーメンが食べられますよ。
湯豆腐
魚から出汁をとって湯豆腐に。
シンプルな料理ゆえ、魚の出汁の味を楽しめます。
飯もの
当記事での釣り飯最後のカテゴリーは飯もの。
釣りから帰った際には晩酌に合う魚料理を真っ先に考えたりしますが、ガッツリと食べるのであれば飯ものにしてガツガツ食べたいところ。寿司に丼……どれにするか悩んでしまいますね。
麺ものなんかもこちらに。
寿司
魚を使った”飯もの”の代表格、寿司。
にぎりに軍艦……下手くそながらも自分で釣った魚を寿司にして食べればやっぱりおいしい!
寿司を握るのはちょっと……という方には手毬寿司がオススメ!
具とシャリをラップに包んで丸めるだけなので、手も汚れずに簡単に作れちゃいます。
漬け丼
続いては漬け丼。
醤油・みりん・酒におろし生姜を混ぜたタレに漬けこんだ刺身を酢飯の上にのせてかっこめば、ご飯がモリモリ食べられます。
残った刺身なんかでも簡単に作れる一品です。
出し汁を注いで茶漬にするのもGOOD!
炊き込みご飯
釣り上げた魚やタコを使った、炊き込みご飯。
魚の炊き込みご飯と言えば、鯛飯が有名ですよね。魚の他にはタコを使ったタコ飯なんかが美味。
米が出汁を吸うので、味わえる味ながらも箸が止まらぬ一品となります。
重もの
主に長物が対象になりますが、重ものもおいしい。
蒲焼きを白飯にのせれば、甘辛いタレだけでご飯が食べられちゃうんじゃないかと思えるくらい味になります。
ウナギ限定になりますが、ひつまぶしもおいしいですね。
長物は捌くのに手がかかりますが、そのおいしさを考えて調理すれば頑張れます(笑)
天丼
釣りたての魚を揚げた天ぷらを白飯にのせ、天ぷらのタレをたらして作る天丼。
写真は蒲焼きものせたコンビ丼ですが、揚げたての天ぷらをのせた天丼は絶品。白身の魚であればどんな魚を使ってもおいしいのが天ぷらの良いところ。
パスタ
主に蟹を使うことになるかと思いますが、これまたおいしい釣り飯、パスタ。
写真はワタリガニ(ガザミ)のトマトクリームパスタ。蟹の旨味が堪能できる絶品イタリアン釣り飯です。
その他
蒲鉾(かまぼこ)
蒲鉾って作れないものかな?と思い立って作ってみたら意外といける。
ちょっと手間はかかりますが、お好みの仕上がりにできるのでおすすめです。
釣り飯が食べられるから釣りをしている、というぐらい釣りと釣り飯は僕の中ではセット。
今後も釣り飯追加していきます!