千葉県にある鋸山(のこぎりやま)。
座像の石仏として日本一の大きさを誇る大仏がその山にあります。
岩を彫刻してつくられた石仏、日本寺大仏(にほんじだいぶつ)。
鋸山の中腹に鎮座するその姿はまさに圧巻。対峙すると、その重厚な存在感に圧倒されます。
その像高約21m(台座を含む総高約31m)!
巨大な大仏をイメージするとすぐに思い浮かぶ奈良東大寺の大仏(像高約15m)よりも巨大……と表現すればその大きさが想像しやすいでしょう。
鋸山の近くは度々通っていたのですが、これほど巨大な大仏が千葉にあるとは……。
一見の価値あり、ですよ。
鋸山登山自動車道大仏口駐車場に車を停め日本寺大仏へ
鋸山登山自動車道の終点にある山頂駐車場に車を停め、地獄のぞき・百尺観音を巡った前回。
鋸山はその山腹10万坪が日本寺の境内というだけあり、見所も多数。
地獄のぞきも百尺観音もスケールが大きく、出だしから圧倒されてばかり。
さて、地獄のぞき・百尺観音を巡った後は山頂駐車場から車で移動して、鋸山登山自動車道の途中にある大仏口駐車場へと向かいます。
大仏口駐車場は大仏口前にあるため、日本寺大仏へアクセスしやすい場所にあります。
鋸山への観光の際、車でのアクセスであれば、鋸山登山自動車道を使って山頂まで行ったほうがロープウェイほど混まず、便利で安価に利用できるのでオススメです。
鋸山登山自動車道でのアクセスについては、詳しくは上記記事にまとめていますのでよろしければ。
見るものを圧倒する存在感!日本最大座像大仏「日本寺大仏」
大仏口駐車場前にある大仏口管理所から日本寺大仏のもとへ。
拝観時間は8~17時。拝観料が大人600円、小人400円となっています。
西口管理所で拝観料を支払っていれば、その際に受け取ったチケットを見せればOKです。
大仏口管理所から日本寺大仏までは徒歩5分ほど。
注意点としては、行きは下りなのですが帰りは上りになります。余力を残した状態で戻ったほうが良いですよ。
……しばらく歩いていくと、正面先に目当ての大仏様の姿が見えてきます。
こちらが日本寺大仏(にほんじだいぶつ)。遠くからでも伝わってくるその圧倒的な存在感。
妻と2人、思わず「おぉ〜!」と声をあげてしまったほど。
日本寺大仏(薬師瑠璃光如来)は、世界平和・万世太平を祈願し彫刻されたもの。
その像高約21m、台座を含む総高は約31m。奈良東大寺の大仏よりも巨大……すさまじい大きさです。
原型は、天明三年(1783年)に大野甚五郎英令が27人の門徒と岩山を3年かけて彫刻したもの。
その時は9丈2尺(約37.7m)と、今のものより7mも高かったようです。
しかし、長年の雨風により侵食したことで破損が発生。
1966年(昭和41年)から仏師・八柳恭次を中心に修復が行なわれ、1969年(昭和44年)に修正完了したのが今の状態とのことです。
1783年は江戸時代。天明の大飢饉が始まっていた頃でしょうか。
現代と違い技術も道具も整っていない時代に、約38mの大仏を彫刻するなんて……。尊敬の意を感じつつ、大仏の凜としながらも穏やかな顔をしばらく眺めさせていただきました。
大仏の近くには、お願い地蔵尊の姿も。写真の白い部分は全て小さな地蔵です。
地蔵(社務所で有料頒布)に名前を書いて奉納すると、願いごとが叶うというもの。
大量の積み上げられた地蔵を見ていると、人の願いとは……と妙な気持ちになります。
人の願いは尽きる事が無いのでしょうね。
願いの上に次から次へと願いが重なり……作られていくのは願いのレイヤー。
重なりすぎて透明度が一切無い、重厚で風通しの無い”願い”の層。
壮大な大仏と青い空のコントラスト。積み上げられた無数の小さな地蔵と山の木々。
人工物と自然物の融合。人の願いは物に落ち着くのか。ただ人に残るだけなのか。ほとんどはいずれ忘れてしまうものなのに、なんて。
巨大な日本寺大仏と対峙したことで、自分を見つめ直すための貴重な時間となったようです。
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