自作竹竿(タナゴ和竿)で釣りがしたくて3本継の釣竿作りに挑戦

釣り

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小物釣りが楽しいなぁ……とハマっているこの頃。
格安のタナゴ竿を使って楽しんでいたのですが、釣りをする毎に強くなっていく気持ち。

和竿が欲しい

購入を考えて色々調べたのですが、今度は別の想いが沸々と。

和竿を自作してみたい

そんなこんなで、1mほどの細竹を加工して釣り竿を自作しました。

タナゴ竿を想定、小物全般いければと思っての和竿。
初めての釣り竿作りです。

火入れ済みの竹を購入したりと、いくつか作業工程を端折っています。作り方も試行錯誤。
道具も基本的には家にあるもので頑張るスタイル。始終迷いながらの初心者竿作りとなりました。

極細布袋竹を購入して釣り竿(和竿)製作

釣り竿を作るのは初めて。
竹の扱いにも慣れていないので、釣り竿製作に使う竹は専門業者から購入。

極細の布袋竹。
1mほどの長さで、矯めの火入れ済みのものです。

この竹を加工して、3本継の釣り竿にしてみます。

切り揃え|和竿製作

今回作るのは、印籠継ぎの3本継の釣り竿。

製作開始当初のイメージはこんな感じでした。

竿先となる細いほうから、穂先・穂持・手元と呼びますが、手元を長くする形でカット。
穂先と穂持には印籠の分短くします。

955mmある竹をカットして、仕舞寸335mmにする想定。
が、これもあくまで想定。実際は計算が狂ってきます(笑)

簡単に3分割にカットと考えていましたが、実際は竹の節を避けて切る必要があります。
初心者丸出しなわけですが、切り揃えする前に節を考慮して切り揃える長さを考える必要がありますね。

手元と穂持はできるだけ長さを揃え、穂先は短くする形でカットしました。

切った部分はヤスリがけしておきます。

気になる節の部分は、ナイフやヤスリで削っておきます。

口巻き|和竿製作

次の工程は口巻き。
継ぎ手部分を補強するために絹糸を巻きつけます。

今回使用するのは#30番の絹糸。

巻き終わりに必要なので、糸で輪っかを作っておきます。

絹糸が滑らないように、絹糸を巻く部分をナイフで薄く削ってヤスリがけしておきます。

隙間無く巻くのですがこれが難しい。
不器用全開で、隙間上等の仕上がりになってしまいました(笑)

巻き終わりは前もって糸で作った輪っかに巻き糸を巻きつけて、最後に巻き糸を輪っかに通して輪っかを引き抜けばしっかりとまります。

糸を巻いた部分に、薄く水で溶いたボンドを塗ります。
この次の作業は、これが乾いた後。

口巻き塗り|和竿製作

ここからは塗りがあるので庭で作業。
家の中だとニャン様に邪魔されてしまうので(笑)

続いては漆を塗る工程。
口巻きした糸の上に漆(カシュー)を塗っていきます。

使うのは東邦産業の特製うるし。
口巻き部分は黒を塗ります。

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「特製うるし」は、塗膜は非常に強靭であり、独特の光沢のある特殊なうるし塗料です。
弾力性に富み、密着力もよく耐水、耐熱、耐油、耐溶剤性を有します。
自然乾燥でありながら焼付けと等しい堅牢塗膜が得られます。

このようにあるように、漆塗りをして堅牢な塗膜を竹の表面に設けることで、竿の耐久性をあげる形ですね。

特製うるしは専用のうすめ液で薄めて使う必要があるので、こちらも購入。

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特製うるしを口巻き部分に塗っていきます。
漆を塗り始めると、途端に竿らしくなるのでテンションが上がります。

筆は昔使っていた油彩用のものを使いました。

塗ったら乾かす……この時間があるため漆塗りは時間がかかります。

夏季1~3日以上、冬季2~5日以上(塗厚や温度等の条件により異なります)

このようにあったので、今回は乾かす時間を2〜3日設けました。

継ぎ手(印籠)作り|和竿製作

今回の竿は印籠継にするため、その部分の製作です。
ここが今回の竿作りで一番作成イメージができず、おっかなびっくり作った工程です。

印籠芯はカーボン芯材。

手元と穂持を繋ぐ芯の太さは2mm。
穂持と穂先を繋ぐ芯の太さは1.5mmとしました。

芯と同じ太さのハンドドリルで竹の口巻き部分に穴を開けます。

このハンドドリルは今回の竿作りのために購入しました。
安価ですが、ドリルの太さも各種あり、コスパが良いと思います。

印籠の長さは40mm。15mm埋め込み、25mm出します。
ドリルで穴を開けては、印籠芯を差し込んで長さを確認。

計算通りに穴が開けられたら、ボンドなどの接着剤で印籠芯を接着します。

へび口作り|和竿製作

次は「へび口」作りの工程。
和竿の竿先部分の釣り糸を結ぶところは「へび口」と呼ばれるそうです。

このへび口をリリアン糸で作ります。

竿先を削って尖らせます。

削った竿先にリリアンを差し込んだら絹糸を巻いて補強。
口巻きと同じようにここにも黒の漆を塗ります。

握り作り|和竿製作

釣り竿の持ち手となる握り。
握り部分をどうしようかずっと悩んでいたのですが……。

どうしてもこの竹を使いたくなりました(笑)
だいぶ予定変更となるのですが、この竹を手元にはめこんで握りにします。

やりたくなったらもはや止まれぬ!と、握りとしたいサイズに竹をカット。

接続部分の先端は、地味にコツコツとナイフで削りました。
この握りに、手元をはめ込む感じにしたい。

握りにドリルで穴を開けまして……(ちょっと失敗しましたが)

握りに手元を差し込みました。
差し込んだ部分の手元の節なんかを削ったので、気持ち良く差し込めました。嬉しい。

接続部分には絹糸を巻いて補強。
ここにも漆を塗っておきます。

口巻き(研ぎ・塗り)|和竿製作

口巻き部分は繰り返し作業。

漆を塗っては乾かし、耐水サンドペーパーで研いで……。

また漆を塗る。
乾かす時間もあるので、この作業で時間がかかります。

また、口巻きとは別に、飾りにも挑戦してみました。
口巻きと同様に絹糸を巻いた上に、細筆で漆を塗ります。

金の漆も使ってみたり。

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口巻き部分に金をチョンチョンとおきまして……。

乾いたら黒を塗ってあげます。

乾いた段階で耐水サンドペーパーで磨いてやると、下から金が露出して模様になります。
試してみたくなってやってみましたが、微妙な仕上がりですね(笑)

胴塗り|和竿製作

諸々工程を端折っているとは思いますが、今回はこれが最後の工程。
胴塗りです。

胴を特製うるしの透(すき)で塗っていきます。

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これも乾かしては塗っての繰り返し。
色味の意味合いもあるとは思いますが、漆の塗膜を作って耐久性を上げる作業です。

完成|和竿製作

これにて完成。

不細工なところなどなど、気になるところは多々あるものの、愛しき自作和竿第一号。
こうやって作ってみると、これまで何気なく使っていた釣り竿の凄さがわかりますね。

毎日コツコツと作業をして約2ヶ月。漆を乾かす時間があるので、それなりに時間がかかりました。
握りを別の竹にしたのが一番大変でした(自業自得)

組み立てていると、釣り竿を作ったので当たり前と言えば当たり前なのですが、「おぉ……釣り竿になったなぁ」という思いが湧いてきます(笑)

竿のしなり具合など使い勝手を確認したいですが、やはり実釣して試したほうが良いですね。
というか、釣竿が完成したらもう、この竿で釣ってみたくてたまらなくなっておりました(笑)

実釣テスト|和竿製作

自転車で近くの川へ。
今回は竿のテストがメインなので、特に釣果は気にしないという珍しい心持ち(笑)

釣り場で見るとまた印象変わるなぁ……と思いながら、自作釣竿を組み立てていきます。
釣り場で組み立てると、やはりテンションが上がりますねぇ。

一応タナゴ竿のつもりで作った竿ですが、小物全般いけたらいいなと思っています。
この日はゴロタの穴釣りで、ハゼやドンコなんかにテストをお願いしようと思います。

タナゴ仕掛けでテスト。
握りを大きくしたことでどうかとも思いましたが、重さはそれほど気にならず、使用感は悪くないですね。

のんびりと始めましたが、この日は終始非常に渋い状況。
何かしら釣れてくれないとテストにならないので……と移動しながら魚を探します。

ここでようやくのヒット!
竿のしなりを確かめながらですが、悪くない印象ですね。

初フィッシュはヌマチチブ。
自作釣竿で釣れると感慨深いものがあります。

釣竿の良し悪しがわかる腕ではないですが、小さなアタリでも感じられたので感度はそれなり。
しなりもまずまずだったので、もっと使いこんで様子を見ていきたいと思います。

何にしろ、自作竿を愛せることは確か。
この竿で色々な魚を釣っていきたいですね。

本命のタナゴを始めとした、小物釣りでも使い倒しましょう。
気になるところはまた、次の自作竿で見直す形で。

和竿の自作はやはり大変。
職人仕事なだけに、ノウハウとセンスの塊なんだなと作りながら痛感しました。

それでも、作ってみることに価値はあると思います。
職人さんと同じような工程は道具などの都合もありできないですが、その技術の断片にだけでも触れると、和竿を始めとした釣具を見る目も変わるかな、と。

何より、一段と釣りが楽しくなる。
まだ作り始めたばかりですが、既にそう感じています。

合わせて動画もご覧ください!

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