沖縄旅行中に訪れた名水百選にも選ばれた垣花樋川(かきのはなひーじゃー)。
深い緑に囲まれた林の中腹から溢れ出る湧き水は美しく清らかだった。
ガンガラーの谷や斎場御嶽(せーふぁうたき)を巡ったあと、僕ら夫婦は玉屋で沖縄そばをいただくことにしました。
おいしい沖縄そばを堪能したあと、元々の予定よりも時間ができたので玉屋近辺のどこかに立ち寄ることに。
たまたまレンタルしていた車のカーナビに「近くのおすすめスポット」なるものがあり、そのなかで気になったのが垣花樋川でした。
青々と茂る木々のなかを進み垣花樋川(かきのはなひーじゃー)へ向かう
玉屋から垣花樋川までは車で20分ほど。
垣花樋川の所在地は沖縄県南城市玉城垣花812。
カーナビの案内通りに進んでいくと、331号線上で案内終了となりました。
歩道から続く階段に案内があります。
ここからは徒歩で垣花樋川へ向かいます。190mあるようですね。
階段の上を見上げると、鬱蒼とした木々のなかへと進む入口があります。
暗くて奥がどうなっているのか見えません。わくわくしよる。
階段を上ると、道には木の枝が絡み合いトンネルのようになっています。
この辺りから空気がひんやりするのを感じます。
暗闇に向かい進んでいくと、崩れかけた石畳の階段が続いていました。
探検が始まったような期待感に胸が膨らみます。
階段の横には水が勢いよく流れています。
垣花樋川から流れてきている水でしょう。
山登りに近い急勾配の坂道のうえ、雨降りの天気だったために滑る足元。
転ばないように慎重に登っていきます。
しばらく登っていくと木のトンネルが終わります。
射し込んでくる陽の光が美しい。
クレソン畑が広がる景色と生き物たち
木のトンネルを抜けると見晴らしの良い景色が広がっています。
この日は雨降りの天気だったのですが、晴れていれば海の見えるこの景色はさらに綺麗なものなのでしょう。
畑にはクレソンが植えられていました。垣花樋川から流れてくる水を利用しているようですね。いいなぁクレソン、モリモリ食べたい。
足元を見ると、いたるところから水が流れています。
豊富な水のおかげで植物が元気に見えるのですが、歩いている僕らも同じく元気が湧いてくるような感覚があります。
元気がみなぎっているのは植物だけでなく、生き物も同様のようでいろいろな出会いがありました。
岩肌には大きなカタツムリがくっついています。
アフリカマイマイでしょうか。小ぶりなツブ貝くらいのサイズで大きいです。
雨もあってか地面を見るとそこかしらを活発に動き回っていらっしゃいました。踏まないように歩くのが大変。
イモリも何匹か歩いているところを見ました。
お腹が赤いように見えたので、アカハライモリですかね。
普段あまりお目にかからない生き物と出会える、そんな豊かな自然のなかを進んでいきます。
カービラ(川の坂)を上る
本当にこの道であっているのだろうか、と思いつつしばらく上っていくと、流れる水が溜まり浅い池のようになっている場所辿り着きました。
流れる清らかな水。岩に群生する美しい苔。
ここが垣花樋川の近辺であろうことは察することができるのですが、カーナビの紹介写真で見た龍の口から水が流れ出ている場所が見つかりません。
「もう少し上なのかな?」とさらに上を目指すことにします。
実はこの場所が垣花樋川であり、紹介写真で見た場所も近くにあるのですが、このときの僕らは気づかずにいました。
上へと続く道は石畳の急な坂道。呼び名はカービラ。
雨でつるつると滑るので注意が必要です。靴が滑るので地面に手をつきながらゆっくりと上ります。
上りきると舗装された道にでました。
そして、今来た道のほうに「垣花樋川」と看板が立てられています。
どうやら観光冊子などで入口として紹介されているのがここのようです。
集落の南側にあり、数台駐めることのできる駐車場もあるようです。バスで来る場合もこちらの入り口からが近いようですね。
改めて大岩に挟まれた急な坂を下っていくことにします。
坂の途中にナカユクイイシ(中休み石)というものがあります。村人が水を運び上げる途中で休憩したという平らな岩。
滑りやすい石畳と急な坂道、僕はほぼしゃがんだ状態で上り下りしていましたが、ここを水を持って上っていたのですね。
気づかずに来た道でしたが、上ってみて良かったと感じます。
ようやく垣花樋川(かきのはなひーじゃー)へ
坂を下り、あらためて先ほどの場所に戻ってきました。
垣花樋川には水路が二箇所あり、垣花集落の崖の中腹から湧き出ている水を水路に流しています。
- 男川(イキガンカー)
- 女川(イナグンカー)
とそれぞれ呼ばれています。
上の写真は男川(イキガンカー)の下流で、流れる水が溜まった泉は馬浴川(ンマミシガー)と呼ばれ、馬に水を飲ませたりしたそうです。
男川(イキガンカー)はその名の通り男性が使っていました。
こちらが女川(イナグンカー)。女性が使っていたとされるほうですね。
下流から見えないように位置が工夫されており、沐浴のをするための場所だったそうです。
男川(イキガンカー)・女川(イナグンカー)・馬浴川(ンマミシガー)をまとめてシチャンカー(下の川)と呼び、水汲み・水浴び・洗濯・野菜洗いに使われていたそうです。
今でも夏には水遊びする子供たちでいっぱいとのこと。
昭和60年に日本の全国名水百選に選ばれた垣花樋川。しかも、百選の中でも、最初に選ばれた全国31件のなかのひとつとして入選したそうです。
現在でも生活用水や農業用水として利用されているようですね。
飲んでみると透き通った感覚のある水。この豊富な水が地域の人や自然を潤しているのですね。
豊富な水の他にも、海の見えるひらけた景色や多くの自然に触れ合うことのできる垣花樋川(かきのはなひーじゃー)。
沖縄に行くことがあれば、立ち寄ってみることをオススメします。
コメント
こんにちわ。
すばらしいですね。
お二人の息遣いまで伝わってくるようですよ。
垣花樋川(かきのはなひーじゃー)。もちろん初めて聞いたです。
その魅力が強く感じられ、私にはいまのところ不可能ではあっても、同行させていただいている気分を堪能しています。
ほんとうにありがとうございます。
id:kame710 さん
こんにちは。
ありがとうございます、僕もカメキチさんの記事でカメキチさんの目をお借りして一緒に北海道を旅させていただいている気分でおります。
垣花樋川は調べて行ったところではなかったのですが、立ち寄ってみてよかった場所でした。清々しく水が流れている場所に行くと、体が浄化されるようで気持ちが良いです。