食べ合わせ、みなさん気にされますでしょうか。
合食禁(がっしょくきん、食合禁[しょくごうきん]とも称)は、食に関する伝承の一つ。一緒に食べるときに食材の取り合わせが悪いとされる言い伝えであり、一般に消化に害を来たすとされている。 平素な日本語では食べ合わせ(たべあわせ)、食合せと呼ばれることが多い。
引用: wikipedia
調べてみたら「合食禁」って言葉にとりあえず怯んだ。がっしょくきん!
「鰻と梅干し」「天ぷらとスイカ」なんかは消化に悪いと聞いたことはあります。
とはいえ、僕はほとんど気にしたことがないのですが……。
「食べ合わせが悪い」というのは、そういった身体に悪い組み合わせのことを言うようですが、僕の家族は「これとこれを一緒に食べたら胃がもたれそう」とか「これとこれは味的にも合わんだろう」といったものも「食べ合わせが悪い」と言っておりました。
以前の記事にも書きましたが、僕は小学校3年生のときから祖父母と一緒に暮らしていました。
母が仕事にでていたため、夕飯を作ってくれるのはいつも、祖母。
僕にとって母の味ってやつは祖母の料理になります。
その祖母がつくる夕食には、焼き魚とカレーが一緒に並ぶことが頻繁にありました。
家族のことを考えた末のメニュー『焼き魚とカレー』
焼き魚とカレー。
今考えれば明らかにミスマッチ。
今なら食べ合わせが悪いランキング上位にあっさり認定されるに違いありません。
実際当時仕事から帰ってきた母が言っていました。
「食べ合わせ悪いね〜」
当時の僕は何を言っているのかわからず、どちらも頬張っていた記憶があります。
『焼き魚とカレー』が生まれた経緯
ではどうしてどう考えても合わない焼き魚とカレーを祖母は同じ食卓に並べたのでしょう。
その答えは祖母が亡くなった時に母から聞きました。
僕と一緒に暮らすまでの祖父母は二人暮らし。
年配である二人の食事は、当然ながら和食中心でした。
そこに僕が一緒に住むことになり、祖母は孫のために試行錯誤しながら子供が好む料理をつくってくれました。
カレーにコロッケ、ハンバーグにシチュー。
食べ盛りの僕は大喜びで食べていました。
しかし、食の好みは簡単に変えられるものじゃありません。
次第に祖父に不満がたまります。そりゃ当然です。祖父は毎日焼き魚でもいいような人でした。
それを見兼ねた祖母が、それぞれの好物を1品ずつ食卓にだすようになったとのことでした。
思い返してみれば、『焼き魚とカレー』の他にも
- 刺身とシチュー
- 煮魚とエビチリ
とか確かにありました。なつかしい。
いや、今でも平気で食べられますけどね。
食べ合わせが悪いのも含めて母の味
母の味って恋しくなるときありますよね。
僕は最近、母の味が体に染み付いていることを実感しました。
仕事で外出が続いて疲れて帰ったある晩、自宅の戸を開けると漂う焼き魚の匂い。
妻は2階にいるようでした。
秋になると焼き魚が無性に食べたくなる僕は、鼻をヒクヒクさせながらキッチンに向かいます。
そしてコンロに置かれていた鍋の蓋を開けました。
「カレーの匂いがしないな〜」なんて考えながら。
鍋の中身は味噌汁。そりゃそうか。
味噌汁を見て我に返った僕は1人笑ってしまいました。
ぼーっとしていた僕は、「焼き魚が匂いがするということはカレーがある」と無意識に思い込んでいたのです。
食べ合わせが悪いとしても、それも含めて僕にとっては母の味。
『焼き魚とカレー』、妻につくってもらおうかしら。
あわない!って言われそうだけど、愛しい組み合わせって、ありませんか?
【追記】
妻に話をしたら作ってくれました。
感謝。
コメント
こんにちわ。
「食べ合わせが悪いとしても、それも含めて僕にとっては母の味」
いいですね。とってもすばらしい。
取り合わせ云々よりいちばんは、お母さんの味ですね。
ちなみにウチの妻は「母ちゃんの味」に「五目寿司」をあげます。姉妹が6人もいてお義母さん、豪勢に見えてたくさん作られ、よかったのでしょう。
素敵なお話ありがとうございます(^^)
祖母さんは、きっとishikawaさんの為に色々試行錯誤の末そうだったのですねv私もたまに食べ合わせの合わない物を作ってしまいます(^^)
id:kame710 さん
ありがとうございます。
五目寿司も印象に残る料理ですね。小さい頃に大勢で五目寿司を取り分けるイメージが記憶に残っております。
紫苑 (id:buraxtudo) さん
そうですね。祖母は僕のために試行錯誤してくれておりました。感謝です。
僕も時々料理をするのですが、全て同じ味か、それぞれ全く違くて食べ合わせの悪いものになってしまいますw