原美術館で写真展を観てきました。
昨日の土曜日、品川で行われたあるパーティーに出席。
が、あまりに退屈なものだったので、4時間予定されていたのですが、30分持たずに退散してしまいました。
勝手だと言われることもありますが、他にも人がいるからという理由だけで我慢して同じ場所に残るなんてできないのです。
外に出るとまだまだ昼過ぎになったばかりの品川。
何しに品川まで来たのかわからない状態の僕。
このまま帰るのも癪と、歩き出した僕は久しぶりに原美術館に行くことにしました。
訪れるだけでも気持ちが良い、建築物としても素敵な原美術館
原美術館までは品川駅の高輪口から徒歩15分ほど。
品川駅前の多くの人から離れるように、足早に美術館方面に向かいます。
美術館に近づくほどに人も減ってきて、落ち着いた雰囲気になっていきます。
久しぶりに訪れてみたら若干迷ってしまいました。
美術館は静かな住宅街の中にあります。
塀は瓦が張られていて時間の経過を感じさせます。
洋に和が違和感のない調和。
塀に沿って木々が伸び伸びと茂っているため、外から眺めると美術館本体は見えません。
元々邸宅として使われていただけあって、「原美術館」と書かれていなければ美術館とはぱっと見わかりません。
門から中に入ると、白を基調とした外装の美術館が建っています。
原邦造の私邸として建てられたこの建築物の設計を担当したのは、上野の東京国立博物館本館や銀座の和光本館の設計で知られる当時の代表的な建築家である渡辺仁。
昭和13年(1938年)に邸宅として竣工し、昭和54年(1979年)に美術館として開館しました。
庭には緑が多く、古い公衆電話がそのまま置かれていたりと、気持ち良くユニークな空間になっています。
木張りの床が気持ちの良い内装
中は写真撮影禁止なので写真は無いですが、外装と同じく白基調で、各小部屋が展示スペースとなっており、廊下は緩やかな曲線になっていたりと美しく慎ましい造りとなっています。
何より僕が好きなのは木張りの床。
古いのもあってか、歩くとふわふわと柔らかい踏み心地の部分があります。
やんわりとしなる床を歩きながら見る展示は、体全体を使って体感しているようで楽しくなります。
原美術館は1979年、現代美術館として東京・品川に開館。アート・デザイン・建築、音楽やダンスなど、最先端の文化を広く紹介しています。1930年代のヨーロッパモダニズム建築を取り入れた建物(原設計=渡辺仁、竣工1938年)は、昭和初期の建築史上に貴重な存在です。アートを満喫するひとときをお過ごしください。
館内には中庭やそれを望めるカフェがあり、アートショップもあります。
『そこにある、時間』ドイツ銀行コレクションの現代写真
原美には何度か訪れていますが、直近で見た展示が何かは忘れてしまいました。
展示も素敵なのが多いですが、結構原美の空間を楽しみに行くことが多いのかもしれません。
記憶に強く残っている展示は、もう10年ほど前になると思いますがアントニ・タピエスやヘンリー・ダーガー。
展示スペースと作品の共存具合が素晴らしく、展示全体のイメージとして焼きついています。
そして、今回の展示。
60,000点にのぼると言われるドイツ銀行の現代美術コレクションの中から、アジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパのアーティスト約40組60点の、1970年代から最近にいたる写真作品を展示しています。
本展は、「《時間》を切り取ってメディアに定着させる」という写真の性質を活かしたさまざまな表現を鑑賞することで、芸術表現としての《写真》の魅力を再確認していただく試みです。また、世界各国のアーティストたちが共通言語としての現代美術にいかに取り組んでいるのか、という点も本展の見どころです。
展示のコンセプトにあるように、さまざまな国のアーティストの作品が並んでいます。
画家として有名なゲルハルト・リヒターやシグマー・ポルケの作品も。
「《時間》を切り取ってメディアに定着させる」という言葉は非常に納得のいくものではあるのですが、今回の作品を眺めていると、時間を切り取るというよりは「写真は時間と共にある」というほうがしっくりきました。
撮影したその瞬間の時間もそうですが、その写真が展示されている「今」も含んで目の前の写真になっている、と。
頭だけでなく、身体でも何かしら感じられる展示でありました。
来年1/11まで開催されているようなので、足を運んでみてはいかがでしょう。
原美術館
■住所
東京都品川区北品川4-7-25
■TEL
03-3445-0651
■営業時間
11:00〜17:00
水曜のみ20:00まで開館(祝日を除く)
※入館は開館時刻の30分前まで
■定休日
月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、展示替え期間、年末年始
コメント