初めて訪れた香港。
妻との二泊三日の短い旅です。
その香港で根城としたのが、重慶大厦(チョンキンマンション)にあるホテル。
「宿泊代が安いから」というのが選んだ主な理由となるのですが、そこを選んだのにはもう一つ理由がありました。
重慶大厦に滞在してその雰囲気を体感してみたい、そんな想いがありまして。
重慶大厦は17階建ての雑居ビルで、上層階には安価なホテルが集まっているため、バックパッカーなどにはよく知られており、旅小説に登場したりもするような建物。
一方で、多国籍・多人種が集うことで犯罪も起きているようで、「危険な場所」としてテレビで特集されたりする面もあります。
なんだかよくわからないけどわからないからこそ実際に見てみたい…どうせなら泊まってみたいというのが今回重慶大厦にあるホテルに泊まることにした経緯。
ゲストハウスについては改めて綴ることにして、ここでは重慶大厦自体について綴っていきます。
自分にとっては、怖さよりも、面白さが先行する場所でした。
尖沙咀のネイザンロードに面して建つ香港の重慶大厦(チョンキンマンション)
今回の旅の宿泊先として決めていた重慶大厦にあるホテル。
香港国際空港からはA21バスに乗って重慶大厦のほぼ目の前にある停留所へ。
No.14の中間道が最寄りの停留所になります。
香港の目抜き通り「彌敦道(ネイザンロード)」沿いにある重慶大厦。
MTR尖沙咀駅から徒歩1分と立地は抜群に良いです。
通りにはひっきりなしに車が行き交い、歩道には昼も夜も足早に歩く多くの人たち。
「24時間眠らない街」と例えられているのを聞いたことがありますが、それが十分に伝わってくる雰囲気です。
そのネイザンロードから見た重慶大厦。
掲げられた”重慶大厦 CHUNGKING MANSIONS”の文字と、多くの多国籍な男たちがたむろする入口。行き交う人が多い通りにあっても、人がたむろして溜まっているのはここくらいでした。近くに行けばそこが重慶大厦だとすぐにわかります。
ニセモノトケイいらないの?重慶大厦(チョンキンマンション)の中へ
中へ入ろうと進んでいくと、入口にいる男たちが「hotel?」「sim?」なんて話しかけてきます。
Noと答えて横を通り抜けると、背中越しに「ニセモノトケイ?」との声が。
“雑居ビル”という言葉にぴったりの雰囲気の重慶大厦。入口を入ると外貨両替店やsimカードを売る店が並びます。
中へ入ってもしばらくは客引きからの声掛けは続きます。
大半は近寄ってくることなく目だけを合わせての勧誘。「安い宿がある」といったものが大半です。
1人近づいてきて呟いてくる男がいましたが、それは「◯◯欲しくないか?」という薬物系の話。
それでも断ればすぐに散っていきます。
この旅の前、テレビで見た重慶大厦の特集を僕は思い出していました。
その映像に映しだされていたのは、重慶大厦の入口で殴り合いの喧嘩が起きている様子や、電線から金属を盗もうとする男の姿。
そしてそれを取り締まる警備員のやり取りでした。
犯罪の温床というような表現もされていたのですが、実際に来てみると女性一人で歩く姿も多く見かけます。
警備員の姿もよく見かけるので、安全面は改善されてきているのかしら。
ただ”怪しい”と感じられる雰囲気が無いわけではなく、それを演出しているのは入口や店の前にたむろする客引きの存在。
加えて、インド人が多く住み店を出していることから漂っている香辛料の匂いと入り乱れるように飛び交う視線。好奇なのか、いや主に品定めなのでしょうが、様々な方向から向けられる視線はこういった場所に不慣れだと「怖い」とも思うきっかけにはなりえるのではないかと思えます。
意外だったのは、思いのほか中が綺麗だったこと。
中はもっと汚いのかと思っていたのですが、汚いと思うことはなくむしろ綺麗だなという印象でした。
外から見ると一つの大きなビルのように見えるのですが、重慶大厦は16階建ておよび17階建てのビルの5棟の総称。
各棟はA座からE座と名付けられていて、目的のホテルなどへはエレベーターで向かいます。
このエレベーターが狭くスピードもゆっくりで、利用していると一悶着あるようなエレベーターなのですが、そのことについてはまた次回ホテル編で綴ります。
怪しさが増す?夜の重慶大厦(チョンキンマンション)
夜の重慶大厦。
入口以外はネオンを放ち、現代的とも感じられる雰囲気になります。
しかし、入口には変わらず多くの客引き。
一部だけ多人種が集うこの客引きの存在が怪しさを演出しているのは間違いないでしょう。
ただ、何度かこの入口から出入りしその雰囲気に触れていると、ここが”ホーム”のように感じられてくるのでした。
多くの人が行き交い現代的な雰囲気のネイザンロードから、多人種が集う雑居ビルへ。雰囲気も匂いも違う。人を吐き吸い込み続けるこのエントランスには不思議な魅力を感じずにはいられませんでした。
夜になると人が増え、客引きの動きも活発になる……と勝手に思っていたのですが、客引きからの声掛けはむしろ少なくなったように感じました。
顔バレしたとは考えづらいので、”僕らが重慶大厦の雰囲気に馴染んだ=客の対象ではなくなった”のか詳細はわからなかったですが、声をかけられる回数は減りました。
人が少なくなる奥の方へと行くと、夜特有の雰囲気も合わさって怪しさは増しているように感じました。
一人だったら好奇心に従って歩き回ったかと思うのですが、妻もいたため夜は素直にホテルへ。
重慶大厦(チョンキンマンション)にある外貨両替店ってどうなの?
さて、ちょっと番外編ですが、重慶大厦に軒を連ねる多くの外貨両替店について。
まあとにかくいくつもあるんです。そして両替店を営むのもこれまた多人種、怪しいものもありそうですよね。
実際、入口付近にある両替店はぼったくりだと聞きます。
さて、そこで頼りになるのが前回の記事でも登場したブログ「バックパッカーに憧れて」。
記事を参考にして重慶大厦の中にある「堅成找換有限公司」で両替をしてみました。
この辺りの店ではレートが同じ。
実際、空港で両替した時よりもレートが良いので助かりました。ご参考までに。
まとめ
テレビや深夜特急の映像で見たことのあった重慶大厦(チョンキンマンション)。
実際にその場に行ってみると、映像からは感じられない匂いや雰囲気に直に触れることができて重慶大厦への興味は増すばかりでした。
今回は滞在が短く、映像で見たことやあらかじめ耳にしたことと自分でその場で感じることの擦り合わせをする作業で終わってしまいました。これからが楽しいところ……もう一度、次はもう少し長く滞在してみたいと考えています。
さて、僕らがこの重慶大厦に来た理由は重慶大厦にあるホテルに泊まるため。
2泊で約4,600円。1泊1人1,150円ほどの安宿です。その様子については、また次回。
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