ドイツの東側、ザクセン州にある街マイセン。
ベルリンにいた頃に何度か訪れた場所です。
ベルリンから列車で3時間弱ほどで行けるので、家族が来たときに案内したり、友人と何度か訪れたりと、思い出の街なのです。
「マイセン」と聞くと思い浮かぶのは白磁器かと思います。
世界的に有名な磁器ですが、その名は発祥地である街の名からつけられたのでした。
磁器も素晴らしいのですが、歴史ある城や中世の面影が残る素敵な街並みも楽しめるので、おすすめの街なのです。
もう10年近く前ではあるのですが、当時の写真を使いつつ振り返ってみようと思います。
エルベ川沿いの街「マイセン」
マイセンへは、観光スポットとしてもよく知られる古都ドレスデンから向かうルートが多いと思います。
ドレスデンからは約30分ほど、車窓からの景色も自然が多くなり優雅な列車旅になります。
街はエルベ川沿いにあります。
街の中心部である旧市街は、マイセン中央駅から川を挟んで反対側。
エルベ川沿いの景色が、なんとも美しい。
丘の上に一際存在感を放ちそびえ建っているのは、マイセンの街の象徴であるアルブレヒト城とそれに寄り添う大聖堂です。
中心部へは川にかかる橋を渡って向かいます。
赤茶色の屋根が素敵。
絵画のようで、見とれてしまいます。
川沿いで昼食にパンを食べていたら集まってきたガーガー隊。
体が大きいので、割と迫力があります。
中世の面影が残る街並み
旧市街に入ると美しい街並みが迎えてくれます。
第二次世界大戦での被害が奇跡的に少なかったマイセン。
複雑な細い道も残る昔ながらの街並み。
石畳の道と木組みの家が中世の雰囲気を感じさせてくれます。
ゆっくりと散策したい、街。
マイセンの街の象徴アルブレヒト城と大聖堂
街の中心から10分ほど坂をあがった丘の上にアルブレヒト城があります。
修復をしていることで外観は新しく見えますが、15世紀に建てられたため、優に500年以上は経っている歴史ある後期ゴシック様式の建築物です。
中は見学ができるようになっています。
このアルブレヒト城が、有名な磁器「マイセン」の原点。
17世紀ごろの西洋社会では、中国の磁器や日本の伊万里などが憧れの芸術品とされていました。
ヨーロッパ各国が競って白磁器製造開発に乗り出す中、ドイツではアウグスト強王に命じられ研究を続けていた錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーがその製造に成功します。
白磁器の製造に成功した翌年、アウグスト強王は製法を国外に漏らさないようにするために、アルブレヒト城内に磁器工房を設立しベドガーを幽閉してしまいます。
苦心の末生み出された磁器も城内に展示されています。
城から眺めるエルベ川沿いの景色は格別。
アルブレヒト城の隣には寄り添うように大聖堂が建っています。
1410年に完成した、ゴシック様式の建築物。
天上の高い広々とした静謐で美しい空間。
ステンドグラスから入る日の光が美しい。
壁にはテンペラ画、祭壇にはマイセン磁器で造られた十字架像と燭台があります。
パイプオルガンもあり、日によってはコンサートもおこなわれています。
磁器の製作工程や歴史が体感できるマイセン磁器工場
マイセンを訪れるのであれば、マイセン磁器工場に寄らない手はありません。
1階がショッピングエリアと工房、2・3階が博物館となっています。
まずは見学用工房ツアーに参加して磁器の製作工程を実際に目にすることをおすすめします。
工房は製作工程ごとに部屋が分かれており、それぞれの工程で職人さんが実際に製作して説明してくれます。
職人さんの技術に目が奪われます。
日本語のガイダンスも用意されているので安心。
製作工程を学んだ後は、2・3階の展示スペースで磁器を見て回ります。
博物館には常時約3000点が展示されているとのこと。
僕はここにくるまでは、マイセンというと白地に青いたまねぎ模様の「ブルーオニオン」しか知りませんでした。
しかし初期の作品から見ていくと、時代ごとに様々なデザインや異なる発色の磁器が作られていることがわかります。
傑作品・限定品など貴重で美しい多くの磁器が展示されています。
象徴となっている「青い双剣マーク」も変遷があり、まさにマイセン磁器の歴史に触れることのできる展示となっています。
1階には磁器のショッピングエリアもあります。
しかしながら、高価でして。
素敵だけど高くて手が届かない、というようなときはアウトレットショップもありますのでそちらを覗くのも良いかもしれません。
まとめ
思い出の街、マイセンでした。
世界的に有名な白磁器を筆頭に、中世の面影が残る街並みや城が魅力的な街マイセン。
僕は使ったことがないのですが、ドレスデンからマイセンまで、エルベ川を船で行くこともできるようです。
ベルリンから日帰りでも十分に楽しめるので、電車からの景色も堪能しつつ、ふらっと寄るのにおすすめの街。
写真を見て、改めて訪れたいな、と思いました。
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