大晦日の晩に王子稲荷神社周辺で行われる大祭『狐の行列』をご存知でしょうか。
王子 狐の行列 公式サイト | 浮世絵「王子装束ゑの木 大晦日の狐火」の再現
狐に扮した参加者が装束稲荷神社と王子稲荷神社の間を練り歩く、幻想的な歴史深いイベントです。
今年の大晦日はこの祭りの雰囲気を味わいに行こうと考えているのですが、その出発地と目的地の神社が素晴らしいとのことで下見に行ってきました。
『関東の中で一番権威のあるお稲荷さん』というだけあり、非日常的な空気も味わえる神社でした。
『関東稲荷総司』と崇められ厚い信仰を誇る歴史ある王子稲荷神社
王子稲荷神社は東京北区にあります。
JR王子駅の親水公園口をでて、右方向に線路沿いの道を6〜7分歩くと着きます。
荘厳な門構え。
歌川広重の「名所江戸百景」に描かれたというのも頷けます。
また、あの源頼義が「関東稲荷総司」と崇めたことから、広く知られるようになりました。
幼稚園と同じ敷地にあるため、正門から入れるのは休日のみのようです。
幼稚園の建物の横に社殿への階段があります。
早速狐様に迎えていただけます。
こちらの狐はそれぞれ表情が豊かなので、顔を拝んでみると良いかと思います。
階段を登りきると、社殿が現れます。
11代将軍徳川家斉が寄進したという社殿は、細部の装飾が美しい朱塗りの建築物です。
お参りをして奥へと進みます。
実はこの神社、『願掛けの石』や『狐の穴跡』でよく知られているのです。
願掛けの石
社殿の横を抜けて奥へ行くと、鳥居があるのでくぐりぬけて進んでいきます。
その先にも社があるので、その横の何本も続く鳥居をくぐってさらに奥へ進みます。
東京都内にありながら、自然を感じられる静謐な空間になります。
鳥居をくぐり終えると、『願掛けの石』がある小さな社があります。
願い事を念じながら石を持ち上げて、予想した重さよりも軽く感じたら願い事が叶いやすく、重く感じたら叶いづらいのでまだまだ努力が必要、との言い伝えがあるとのこと。
実際に『願掛けの石』を持ち上げてみました。
うん。
重いです。
狐の穴跡
『狐の穴跡』は階段を登ったところの、高台にあります。
社の中に狐様が住んでいたとされる洞穴の跡があります。
ここまであがってくるとまた空気が変わり、さらに歴史を感じる雰囲気となります。
帰り際におみくじを引きました。
半吉。
人生2度目の半吉となりました。
おみくじの文章の説明もあってわかりやすいですよ。
装束稲荷神社
王子稲荷神社から7〜8分ほど歩いたところに、装束稲荷神社があります。
こちらが大晦日の大祭『狐の行列』の出発地点となります。
大晦日より年が明ける0時に装束稲荷神社を出発し、王子稲荷神社に向かうのです。
『狐の行列』の始まりは、ある言い伝えが元となっています。
王子には大晦日に各地から集まった狐が大きな榎木の下で装束を整えて、王子稲荷神社に詣でたという言い伝えがあります。
この様子は歌川広重の浮世絵にも描かれています。
しかし、時代が進むにつれ自然が少なくなり、集結場所だった榎木が人間に伐採されてしまったことで、いつしか狐の行列は見られなくなってしまいました。
それを偲んだ人々が狐に扮装して、装束稲荷神社から王子稲荷神社まで行列で進み初詣をするようになったのが『狐の行列』です。
幻想的な大祭の雰囲気は美しく、『狐の行列』には全国からたくさんの見物客が訪れます。
大晦日のイベントには最適な祭ではないでしょうか。
まとめ
『狐の行列』で使用される道路周辺にはすでに「狐火」の提灯が飾られていました。
1日の0〜3時までは車両通行止めになるようですね。
今年の『狐の行列』は実際に現地に行って体感してきます。
祭の様子はまた新年綴りますね。
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